「ホテルくちびる」
登場人物
ヒロシ:男性 二十代(?)
ハト子:女性 二十代(?)
男女に分けてはいますがこれは一人芝居なので上手く声を分けて演じてください。途中で括弧で声の指定がありますのでそこも気をつけてください
※米※米 この一人劇は米米クラブの「ホテルくちびる」曲中での、 石井竜也さんによる一人芝居(本人曰くラップ)です。 歌詞には載っていなく、聴き取ったものなので若干おかしい点もありますが、もしおかしければ各個人で補完してよろしくお願いいたします 米※米※
SE:(車の音)ヴーーーーーン
ヒロシ:ハト子ちゃん!俺ね、ハト子ちゃんとこうして、デートできるの・・・まっまっ、待ってたんだ!ハト子ちゃん・・・ううっ俺・・・ハト子ちゃん!・・・うれしいなぁー
ハト子:大丈夫?ヒロシ君
ヒロシ:大丈夫さぁ!ハト子ちゃん、俺ね、ハト子ちゃんと幸せに暮らすんだ!そしてね、白いお家で白いブランコのおうち、作ったりなんかして・・・ああっ!うっうっうっ
ハト子:大丈夫?ヒロシ君!
ヒロシ:うぁっうぁっうぁ!
ハト子:ヒロシ君!
ヒロシ:震えただけー、あっはっは!・・・ハト子ちゃん、俺ね、ハト子ちゃんのこと幸せにするよ、結婚してくれ!
ハト子:もう・・・今ナンパしたばっかりじゃない!何考えてんの!?
ヒロシ:ハト子ちゃん・・・俺ね、俺、実を言うと、こうやって女の子と車でドライブして、こんな個室でこんなエッチなこと考えてこんなこと、こんなことやってドライブしてるの、初めてなんだ!
ハト子:(ヒロシの声で)何を言ってるのよー。あ、ちがう(ハト子の声で)何言ってんのよー
ヒロシ:ハト子ちゃん、俺、ハト子ちゃんの身体が目的じゃないんだぜ!
ハト子:誰も聞いてないわよそんなこと!もぉー不潔なんだから!
ヒロシ:ふふっ・・・ははっ・・ははは!一番星だ!
ハト子:もぉー、人の話聞いてるの!?・・・ねぇ、どこ行く?
ヒロシ:横浜さ・・・ヨコハマハマハマ、ハマハマさ!はっはっは、ハマハマーハマハマ!
ハト子:ハンドルを!握ってちょうだい!
ヒロシ:おー、あぶねぇ
(少し間を空ける)
ヒロシ:俺、ハト子ちゃんのために今日、素晴らしいテープ用意してきたんだ。これだよ、この金色のテープ!すごいだろ?ほら!すごいだろ!?(テープをハト子に押し付ける)
ハト子:やめて!ちょっと、痛い!
ヒロシ:ごめんよ。あまり良いテープだからね、こうやってつければ聞けるんじゃないかと思って
ハト子:馬鹿言わないで!
ヒロシ:ははは、ごめんよ。ガチャ (女性の喘ぎ声で)あ〜あ〜あは〜ん (声もどす)ちがうわ、こっちだった
ハト子:何よ今のテープ!?
ヒロシ:いいんだよーこれが最高なんだから!ガチャ
(間を空ける)
SE:(車の音)ヴーーーーーン
ヒロシ:ハト子ちゃん!ベイブリッジが見えてきたよ!
ハト子:まぁ素敵!ブルーに輝いているわ
ヒロシ:ははは・・・はぁ、ハト子ちゃん、ベイブリッジを抜けると横浜だ。・・・ハト子ちゃんのこと、幸せにするから
ハト子:まだ言ってるの!?
(少し間を空ける)
SE:(車の音)ヴーーーヴーーーーン
ヒロシ:美味しかったねぇ、あのフランス料理店。送っていくからね、おうちまで。(爪楊枝で歯の間に詰まったものをとる時の音)
ハト子:おじさんみたいなことやめて!・・・あーあ、でも、ヒロシさんってこんなに情熱的な人だとは思わなかった
ヒロシ:あっは・・・(鼻をすする音)ありがとう!ほめ言葉だね!
ハト子:ヒロシさん、あたしのことそんなに好き?
ヒロシ:好きさぁ!大好きで大好きで、大好きで―――
ハト子:セックスしたいなんて言わないで!
ヒロシ:言ってないじゃないか!何を言うんだいハト子ちゃん!僕は女の子と、こんな中でデートするの初めてなんだよ!ハト子ちゃんもだよ!
ハト子:・・・当たり前じゃなーい!あたしも、男の人とこんな個室にいるの、初めてなの
ヒロシ:そっかぁ・・・。お互い、大事にし合って、傷舐めあっていこうね!
ハト子:何言ってるの!?・・・はぁ、そういえば、今日はお父様もお母様も、おうちにいらっしゃらないんだわ
ヒロシ:え?あ、そうなんだ・・・。ハト子ちゃん、俺、ハト子ちゃんちに、ちょっとだけ、よ、寄らしてもらってもいいのかな?
ハト子:ふっ、不潔!
ヒロシ:あいっ、あイテっ!何すんだいハト子ちゃん!
ハト子:寄ってってあたしを抱こうっていうんでしょ!?不潔だわ!
ヒロシ:あ、いや俺、ちょっと・・・寄らしてもらって、休んでいこうかなって思っただけなんだけど・・・
ハト子:わかったわよ!あたしの身体が目的なのね!
ヒロシ:いや、そんなことないって!そんなことないよ!いや、だったら僕、ちゃんと帰るから、ごめんね・・・
ハト子:・・・・・・帰っちゃうの?
ヒロシ:いや・・・だからあのぅ、ちょっとだけなら寄って―――
ハト子:不潔だわ!嫌いっ!
ヒロシ:どうしたらいいんだい!?
ハト子:・・・頭が痛いわ。なんか、身体がポッポポッポするのハト子。ハト子ポッポポッポするのよ。身体が、火照るの!火照るの!なんか身体がホテルの!
ヒロシ:あ・・・あんなところに!
ハト子:ええ、あんな所に「ホテルくちびる」って書いてあるわ!あそこに寄って、ちょっと休んでいけばいいかもしれない
ヒロシ:あ・・・あぁ、わかった!大丈夫かい?
ハト子:風邪かもしれないんでポッポポッポしてハト子ちゃんポッポポッポして!ああホテルでポッポポッポ、ホテル―――
ヒロシ:わかりました!行きますよ!
SE:(車の音)ヴーードドドドドドド
ヒロシ:ハト子ちゃん、入っちゃったけど・・・ハト子ちゃん、こんなとこ来た事ないんだろ?
ハト子:あたしもドキドキして、ポッポポッポしちゃったわ。これはきっと風邪かもしれないの
ヒロシ:どうしたらいいんだろ?
ハト子:そこのボタンを押せばいいのよ
ヒロシ:そっか
SE:(ボタンを押す音と出てくる音)ピッ!ガチャン!
ヒロシ:杉の間だって
ハト子:あの部屋はいい部屋なのよねぇ
ヒロシ:なんで知ってんだよぉっ!!??
−Fin−
あとがき