「メイディズィーズ -May disease-」

登場人物

皐月原早苗 サツキバラ サナエ:17歳 女性
気の強い女の子。雨の日が大嫌いで、いつも雨期になると
テンションが下がってしまう。少しガサツだが、趣味は
アクセサリ作りと女の子している


五色あやめ ゴシキ アヤメ:17歳 女性
大人し目の女の子で、友達や気の許した人にしか意見を
言えないが、ちゃんと自分の考えを持って行動している。
おっとりとしているがしっかり者で、慌て者の早苗の
保護者的存在


田中倉臣 タナカ クラオミ:18歳 男性
早苗のクラスメイト。女の子の気持ちがよく分からない、
よくいる男子高校生のアレ。何か組み分けやグループ分けがあると
いつも早苗と一緒になってしまい、周りから夫婦と呼ばれている。
もちろん二人はそれを全否定しており、その勢いで夫婦喧嘩が勃発する。


雨宮翔太 アマミヤ ショウタ:18歳 男性
あやめの彼氏であり、クラスのムードメーカー的存在。
倉臣といつもつるんでおり、暴走した際の抑止役。
周りの事がよく見えているが、詰めが甘い所も

 

※劇を行うにあたって、登場人物の名前の確認は事前に行っておいてください。

 


*表記方法+配役+台詞数(Lines)*

早苗:       L75
あやめ:   L58
倉臣:     L85
翔太:     L60

 

 

 

倉臣(タイトルコール)「月シリーズ 五月 メイ ディズィーズ」


−学校への道中−


早苗「あー、ダルいー」


あやめ「さっきからそればっかりね、早苗ちゃん」


早苗「だってぇ、この雨なんとかならないの……?」


あやめ「それは私に言ったら解決するの?」


早苗「そうじゃないけどぉ。……んもう、なんで梅雨なんてあるのよぉ!」


あやめ「それはね、揚子江気団とオホーツク気団と熱帯モンスーン気団と小笠原気団とがせめぎあってね……」


早苗「んー、そんなメカニズムを言ってるんじゃないのー。あやめはジメジメしてるの嫌いじゃないの?」


あやめ「そうねぇ、あまり良い気分とは言えないかな」


早苗「私にはいつもと変わらないように見えるけど……」


あやめ「それは表に出ていないだけ。私だって早苗ちゃんみたいに陰鬱とした気分になってるのよ?」


早苗「……なんか陰鬱って言われると余計に気分が滅入っちゃう」


あやめ「あ、ごめんなさい。お詫び代わりに一つ、気分解消する方法を教えてあげる」


早苗「えっ!なになに!?」


あやめ「まず手の平に人という字を三回書きます」


早苗「ふんふん」


あやめ「その後、手の平を口に近づけて食べるそぶりをします」


早苗「で、その後は」


あやめ「目の前に嫌いな相手を浮かべて思いっきり殴ります」


早苗「この工程意味ないし!それに人書くのって緊張解くやつだし!」


あやめ「でも声を荒げてツッコんだら少し元気出たでしょう?」


早苗「う……まぁ、確かに」


あやめ「なら良いじゃない」


早苗「でもさでもさ!私だけが元気になっても周りがどんよりしてたらやだよー」


あやめ「そうね、早苗ちゃんの愛しいあの田中君も暗くなっちゃうし?」


早苗「なんでそこで田中が出てくんのさ!」


あやめ「ふふ……。田中君の名前を出したらすぐムキになるんだから」


早苗「それは否定するって意味で!」


あやめ「嫌よ嫌よも好きの内と言うじゃない」


早苗「むー、あやめと話すと絶対負けちゃうんだから。……逆にあやめの方は雨宮君とはどうなのよ?」


あやめ「翔太さん?あの人も早苗ちゃんと同じで皆に明るさを振りまいてるから。私も一緒に元気をもらってるわ」


早苗「あー、どんな時でも元気だもんね、雨宮君」


あやめ「……それだとバカみたいな風に聞こえるんだけど」


早苗「あ、ごめん。にしても本当にラブラブよね、二人とも」


あやめ「あの人は何も考えてないようでちゃんと周りのことを見てるの」


早苗「そういう所が好きだと」


あやめ「うん」


早苗「そこまですんなり言われちゃうと毒気も抜けちゃうわね」


あやめ「早苗ちゃんにもそんな人が現れるって」


早苗「むー、私の心もジメジメだよぉ」


あやめ「ふふ」

 

 

 −教室−


倉臣「あ゙ぁ……ダルい」


翔太「倉っち、朝っぱらからゾンビみたいな声だすなよー」


倉臣「だってよぉ、毎日こんな雨じゃ外で遊べねぇし、ジメジメしてると段々気分も滅入ってくるじゃねぇか」


翔太「まるで干からびた魚みたいだなー。外は雨だけど」


倉臣「何でお前はそんなに元気なんだよ」


翔太「ん?俺にはあやめがいるからねー」


倉臣「あーそうですか聞いた俺がバカでした」


翔太「あらら、余計に落ち込んじゃった」


倉臣「でもお前らもこの雨じゃ遊びにも行けないしイライラしてんじゃないのか?
        まぁ五色さんはいつも笑ってるからどう思ってるかわかんないけどよ」


翔太「ん、最近アイツ機嫌悪いよ?」


倉臣「俺から見たら普段とそう変わんねぇけど……やっぱりそういう顔はお前にだけしか見せないのか?」


翔太「いやいや、昨日もずっと不機嫌だったじゃん」


倉臣「……俺は分からん」


翔太「愛が故ってやつだよ」


倉臣「……お前らカップル見ててもイライラしないのはなんでだろうな」


翔太「そんなこと俺に言われてもねぇ」


倉臣「あーあ、俺にもそんな子がいたらなぁ」


翔太「……B組の芳川さんは?」


倉臣「あー……可愛いかもしれないけど若干タカビーだからなぁ」


翔太「C組のノグっちゃん」


倉臣「美人過ぎて気ぃ遣いそう」


翔太「中山さん」


倉臣「どっちの?」


翔太「ミキの方」


倉臣「確かに器量は良いけど付き合い始めたら重そう」


翔太「倉っちが彼女出来ない理由が分かった気がする」


倉臣「なんだよそれ」


翔太「じゃあ早苗ちゃんはどうなの?」


倉臣「……なんであいつの名前が出てくるんだよ」


翔太「倉っちの正妻だから」


倉臣「いつ俺があいつの婿になったんだよ」


翔太「傍から見てたら本当に息ぴったりのお似合い夫婦なんだけどねぇ」


倉臣「誰があんなガサツ女……」


翔太「でも可愛いじゃん」


倉臣「ん……まぁ、顔は。確かに……」


翔太「おやおや」


倉臣「なんだよニヤニヤしやがって」


翔太「べっつにー」


あやめ「翔太さん、おはよう」


翔太「お、おっはよー」


あやめ「田中君もおはよう」


倉臣「……おう、おはよう」


あやめ「?何か、私の顔に何かついてます?」


倉臣「いや、何でもない」


翔太「早苗ちゃんもおはよー」


早苗「うん、おはよう。……ついでに田中も」


倉臣「おい、ついでってなんだよ!」


早苗「田中はついでで丁度いいのよ。お弁当についてくる漬けものレベルよ」


倉臣「漬けもの馬鹿にすんなよ!漬けものあればご飯一杯イケんだよ」


翔太「いや、論点ずれてるし」


あやめ「でも一気に二人とも明るくなったね」


翔太「やっぱりこの二人はお似合い……」


早苗「じゃない!」


倉臣「何でこんなやつと二人でセットにされなきゃいけないんだよ!」


早苗「こんなやつってどういうことよ!家庭科の授業でハンバーグ作るはずなのに
        暗黒物質作りだしたやつに言われたかないわよ!」


倉臣「なんだとー!?」


早苗「なによー!?」


翔太「あらら、また夫婦喧嘩勃発しちゃった」


あやめ「そういえばさっきまで二人で何の話をしてたの?」


翔太「簡単に言うとこの雨が鬱陶しいねって話」


あやめ「こっちも早苗ちゃんとそんな感じの話をしてたの」


翔太「倉っちと似てるね」


あやめ「でもやっぱり梅雨のせいかいつもよりイライラしてた」


翔太「こっちも少し気分が落ち込んでるみたいだったし、何か一度リセット出来たらいいんだけどなぁ」


あやめ「……あ、そういえば」


翔太「どうしたの?」


あやめ「天気予報で明後日の日曜日が久々の晴れだって」


翔太「じゃあその日に皆で遊びにでも行くか」


あやめ「それ、いいかも」


翔太「そんじゃ、あの夫婦喧嘩を止めに行きますかー」


あやめ「……そうですね」

 

 

 

 

 −日曜日、遊園地にて−


早苗「いやぁ、ひっさしぶりの良い天気ねー」


倉臣「これにお前がいなかったらもっと良かったのにな」


早苗「なんですってぇ!?」


あやめ「田中君、自分から厄介事の種を蒔いちゃ駄目よ」


倉臣「す、すまん」


あやめ「早苗ちゃんも簡単に軽口に乗っちゃ駄目」


早苗「ご、ごめんなさい」


翔太「あやめ、まるでお母さんみたいだな」


あやめ「翔太さんも観てないで止めてくださいね」


翔太「ごめんごめん」


あやめ「でも本当に晴れてよかったわ」


早苗「今日は誘ってくれてありがとね」


翔太「丁度家に遊園地の格安クーポンがあってね、今使っとかないとしばらく機会無いからさ」


倉臣「ようし、アトラクション全部制覇すっぞー!」


早苗「客も少ないみたいだし、確かに出来そうね」


あやめ「ふふ、二人が元気になって良かった」


翔太「だね。それじゃあ俺たちも楽しまなきゃな」


あやめ「そうね」

 

 

 −昼頃−


倉臣「午前中だけで結構回れたな」


早苗「そうね、でもこの遊園地って絶叫系の乗り物一つしかないのね」


翔太「あれ、早苗ちゃんってそういうの好きなの?」


早苗「うん!あの落ちる時のヒュンって感覚がもうたまんないわ」


あやめ「じゃあ午前中に乗ってないのって……」


早苗「もちろん最後の締めに乗るのよ!」


倉臣「はしゃぎ過ぎて落ちないようにな」


早苗「そこまでバカじゃないわよ」


あやめ「でも皆楽しんでるみたいで良かった」


倉臣「けどさ、折角二人で遊べたのに俺ら邪魔になってないか?」


早苗「それ私も思った。二人のデートに水挿してないかって」


翔太「そんなことないよ、皆ではしゃいだ方が楽しいだろ?」


倉臣「まぁな」


翔太「……けど、そこまで言うんなら午後からは別れて行動するかい?」


早苗「えっ?」


翔太「男女ペア限定のアトラクションもあるみたいだし、行ってくればいいんじゃないかな?」


倉臣「で、でもそういうのって、その……カップルじゃないと行けないんじゃないのか?」


翔太「一々カップルですかなんて確認されないって。それに二人なら大丈夫だよ」


早苗「大丈夫って……」


翔太「ほらほら、俺たちはもうちょっとここで休憩してるから、行ってきなって」


倉臣「お、おう……」


あやめ「……本当に二人にして良かったの?」


翔太「午前中いがみ合ってる事もなかったし、大丈夫じゃないかな。それに俺たちに気を遣っちゃってたみたいだから」


あやめ「そう、かな……」


翔太「もう二人も行っちゃったし、俺たちが楽しまないと逆にあの二人に失礼だよ」


あやめ「そうね」


翔太「それじゃあ行こ、あやめ」


あやめ「はい」

 

 

 


倉臣「……なぁ」


早苗「……何?」


倉臣「翔太が言ってたアレ、行くのか?」


早苗「でも、全部制覇するんでしょ」


倉臣「まぁ、そりゃ言ったけどよ……」


早苗「と、とりあえず後回しにしてさ、先に普通の回っていかない?」


倉臣「そうだな……お、コーヒーカップあるし乗るか」


早苗「ハンドルは一杯回す派?」


倉臣「モチロン」


早苗「よし、じゃあ思いっきり回して先に音をあげた方が負けだからね!」


倉臣「負けた方はソフトクリームのおごりな」


早苗「負けないからね!」

 

 

 


倉臣「ふぅ、結構回ったなぁー」


早苗「にしても、さっきのお化け屋敷。田中って意外と怖がりなのねー」


倉臣「うっせーな、人には苦手なものの一つや二つあるんだよ。お前だって何か苦手なのあるだろ?」


早苗「さぁねー。わざわざ苦手なもの教えるバカはいませんよーだ」


倉臣「ちぇっ」


早苗「……で、残るアトラクションはあと二つだけど」


倉臣「ジェットコースターと……例のアレか」


早苗「……本当に、行くの?」


倉臣「そりゃ……制覇するんだったら行くしかないだろ」


早苗「そう、よね。やっぱり」


倉臣「なんだよ、やっぱりこういうのは彼氏と、ってことか?」


早苗「いや……別にそんなことは」


倉臣「ま、お前に振り回される彼氏は可哀そうだなー」


早苗「なんで……」


倉臣「?」


早苗「なんでそういうこと言うのよ!?」


倉臣「!……皐月原」


早苗「……っ!」


倉臣「あっ、おい!皐月原!?……なんなんだよ、おい」


  しばらく立ち尽くす田中、するとポツポツと雨が降ってくる


倉臣「あ……雨、降って来やがった」


  雨宿りする場所を探そうと歩きだした。丁度その時、田中の携帯が鳴る 


倉臣「……もしもし」


翔太『なぁ、倉っち。今さっき早苗ちゃんが走って行ったんだけど、何かあったの?』


倉臣「……俺にもよくわかんねぇよ。いつもみたいに軽口叩いてたらいきなり怒りだして」


翔太『はぁ……あのね、普通楽しんでる最中に変な事言われたら怒るでしょ』


倉臣「そんなこと俺に言われてもわかんねぇよ」


翔太『いいからさっさと追いかけてあげなさい』


倉臣「なんで俺が……」


翔太『ぇ?あぁ、……うん。……ちょっとあやめに代わるな』


あやめ『もしもし……田中君、女の子にとって男の子と遊園地で遊ぶということはどういうことか分かってますか?』


倉臣「だから、わかんないって」


あやめ『こういう場で遊んでいる以上、田中君に少なくとも好意があるということは分かるでしょ?』


倉臣「アイツが俺に、好意?」


あやめ『そんなに好きでもない相手と毎日学校で喧嘩して、こうやって二人で遊んでなんて普通しないでしょ』


倉臣「……」


あやめ『田中君はどう思ってるの?』


倉臣「いや、別に俺はあいつの事好きとかそういうんじゃ……」


あやめ『別に告白をしろとは言ってないわ。けど、その前に早苗ちゃんに
           言わなきゃいけないことがあるんじゃないかな?早苗ちゃんの友人として』


倉臣「……」


あやめ『……ごめんなさい、不躾なこと言っちゃって。私は田中君も早苗ちゃんもどっちも大切だから』


倉臣「いや、ありがとう。……探してくるよ」


  田中、携帯の通話ボタンを押す。翔太があやめと携帯を代わる


翔太「……あー、俺だ。とりあえず傘を……って、切れてら」


あやめ「せっかちね」


翔太「ホントにな。ま、こっちでも探して、見つけたら傘渡してやるか」


あやめ「そうね」


翔太「にしても、今ので伝わったかな?」


あやめ「大丈夫だと思う。田中君も何だかんだ早苗ちゃんの事大切に思ってるはずだもん」


翔太「そうじゃなきゃ夫婦なんて言われないもんな」


あやめ「そうね」


翔太「……傘、二つしかないけど、どうする?」


あやめ「私と翔太さんで一つ、早苗ちゃんと田中君で一つでいいんじゃない?」


翔太「相合傘だね」


あやめ「これでちょっとカップルっぽいかな?」


翔太「うん」

 

 

 


倉臣「皐月原っ!」


早苗「っ!?」


倉臣「ちょ!?逃げるな!」


早苗「なによっ!?」


倉臣「俺の話を聞け!」


早苗「聞いてどうするのよ!どうせ私みたいな男女(おとこおんな)が女の子の考えしてるのがおかしいんでしょ!?」


倉臣「そんなこと言ってないだろ!」


早苗「でも同じでしょ!私と付き合う彼氏が可哀そうだって言ってたじゃない!」


倉臣「言ったけど!……言ったけどそういう意味で言ったんじゃない」


早苗「じゃあどういう意味よ!?」


倉臣「それは……お前といるのが当たり前になってたからだ!」


早苗「……どういう意味よ?」


倉臣「ちゃんとした言葉浮かんでこないから意味分かんねぇかもしれないけど、
        学校で何しようにもお前と一緒にグループになって、三年連続で同じクラスで、
        毎日しょうもないことで口喧嘩して、それがお前といる時の当たり前になっててよ。
        だからこういう場所へ遊ぶ時のお前の気持ち、分かってやれなかった」


早苗「……」


倉臣「お前と言い合いしてるの、そんなに嫌いじゃなかったぜ」


早苗「……そんなの、今言わないでよ」


倉臣「こうなる前に俺がお前の事理解してれば良かったのにな。……皐月原」


早苗「……なに?」


倉臣「……ごめん」


早苗「……それだけ?」


倉臣「それだけ、って……何か他に言わなきゃいけないことってあるか?」


早苗「……田中にロマンチックな言葉要求する方がバカだったかな」


倉臣「だから何なんだよ、一体―――」
 

(倉臣の『一体』辺りから被るように)
早苗「ねぇ、田中」


倉臣「な、なんだよ……」


早苗「ふふっ…………ばーか」


倉臣「ば、バカってなんだよ!?」


早苗「バカなのはバカなのよ、バーカ…………ねぇ、田中」


倉臣「今度はなんだよ」


早苗「また今度さ……ここに遊びに来ない?」


倉臣「え?」


早苗「ジェットコースター乗れなかったから。それに一人で遊ぶのは寂しいし、さ」


倉臣「今度はアレにも行くのか?」


早苗「……全部、制覇するんでしょ?」


倉臣「あぁ……そうだな」

 

 

 −翌日、学校にて−


倉臣「あ゙ぁ……ダルい」


翔太「倉っち、先週と同じこと言ってるね」


倉臣「だってよぉ……遊びに行ったのは良いけどよ、結局その後ずっと雨で今朝も土砂降りだったじゃねぇか」


翔太「そりゃそうだけど、でも少しは気分は晴れたでしょ?」


倉臣「うーん…………微妙」


翔太「あらら……」


あやめ「翔太さんと田中君、おはよう」


翔太「あやめ、おはよう。早苗ちゃんもおはよう」


早苗「うん、おはよう。……田中もおはよう」


倉臣「……おう」


早苗「おうじゃなくてちゃんと挨拶」


倉臣「……おはよう」


早苗「ん、よろしい」


翔太「あらあら?」


あやめ「あらあら?」


早苗「二人して何よ口に手を当ててニヤニヤして」


翔太「いや、別に?」


あやめ「ねー」


早苗「もう……」


早苗N「五月も半ばにさしかかり、私に襲いかかって来た梅雨の五月病。
          けど、私の中に少し光が差してきたように感じました」




 

 

 

-fin-

 

 

 




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