「密室」

登場人物

太郎  タロウ:17歳 男性 普通の男の子。名前は適当に付けたので演者の名前に変換するなどして下さると嬉しいです

花子  ハナコ:17歳 女声 普通の女の子。以下同上

 

 


*表記方法+配役+台詞数(Lines)*

太郎:  L60

花子:  L59

 




※作中にドクターペッパーという商品が出てきますが、知らない方は一度ググっておいた方が劇をする際に登場人物の言ってる意味が理解できると思います。
 

――――――――――――――





 

太郎「お、おい!起きろって!!」


花子「う、う〜ん・・・。あれ・・・太郎?」


太郎「はぁ、やっと目ぇ覚ましたか・・・」


花子「どうして太郎がここにいるの?っていうかここどこなのよ?なんでこの部屋何にも無いの?
あっ!!今気づいたけど私パジャマのままじゃない!?太郎のエッチ!!」


太郎「ええい、質問が多いわ!あとお前がパジャマなのは俺のせいじゃねぇよ!」


花子「んもぅ、分かったわよ・・・じゃあ一つずつ聞いていくわ。どうして太郎と私がここにいるの?」


太郎「分からん」


花子「・・・それじゃあここはどこ?」


太郎「分からん」


花子「・・・・・・なんでこの真っ白い部屋にドアも窓も無いの?」


太郎「分からん」


花子「なんにも分かってないじゃないの!!」


太郎「仕方ねぇだろ!俺だって目を覚まして十分も経ってねぇんだよ!」


花子「ハァ・・・あんたに期待した私がバカだったわ」


太郎「んなっ!?それってどういうことだよ!?」


花子「そのまんまの意味よ、わかんないの?流石バカね」


太郎「さっきからバカバカ言いやがって・・・」


花子「バカにバカって言って何が悪いのよ」


太郎「しまいにゃキレるぞ・・・」


花子「ばーか」


太郎「プッチーン・・・もう許さん!!!」


花子「何?やろうっていうの!?こっちだって手加減しないわよ!」

 

 


――――――――――――

――――――

―――

 

 

太郎「・・・なんかごめん」


花子「私こそバカばっか言ってごめん」


太郎「・・・ギャグ?」


花子「違うわよ!」


太郎「はぁ・・・これからどうしようか?」


花子「それは私のセリフよ・・・。ねぇ、ほんとに何も無かったの?」


太郎「さっき見たときには・・・何も、なかった・・・が・・・・・・・あ、あった」


花子「・・・さっきもそうやって見回してただけだったんじゃないの?」


太郎「・・・ばれたか」


花子「ハァ、あんたらしいわ・・・とにかくそっちへ行きましょう。それで、何があったの?」


太郎「・・・抽選するときのガラガラ」


花子「は?」


太郎「いや、だから商店街で『一等賞の、ペアのハワイ旅行券ですー』とか『残念賞の
ティッシュですー』とか言うあれだよ」


花子「いや分かってるから。そうじゃなくてなんでここにあるのよ」


太郎「分からん」


花子「もうそれいいから」


太郎「んで・・・やっぱりガラガラする?」


花子「回すって言いなさいよ・・・ガキっぽいよ?」


太郎「うっせ。んで、どうすんだ?」


花子「他に何も無いんだったら回すしか方法が無いでしょ。もしかしたら出れるかもしれないわ」


太郎(なぜこれで出れると思うのか・・・?)


花子「なによ?」


太郎「なんも。それじゃあ回すぞ、っと」


花子「・・・意外と丁寧に回すのね」


太郎「意外ってなんだよ」


花子「さあねー。あ、玉が出たわよ・・・って玉でかくない!?ソフトボールくらいあるんだけど」


太郎「なんか字とか書いてるんじゃないの?」


花子「ホントだ。なになに・・・『は、ず、れ、た、ら、い』」


太郎「はずれたらい?どういうこと・・・・・・痛ってえ!?」


花子「きゃああ!?いったーい・・・なにこれぇ・・・」


太郎「いてて・・・金ダライ?」


花子「なるほど・・・『ハズレ、タライ』ってことね・・・」


太郎「どっから降ってきたんだよ・・・」


花子「これからもこんなのがあるわけね」


太郎「もう・・・止めね?」


花子「でも止めても他に何も無いんだから仕方ないじゃない。それに食べ物飲み物はどうするのよ?」


太郎「これで当てろって事か?ほんとに出るのかよ・・・」


花子「腹くくってさっさと次やるわよ!」


太郎「はいはいわかりましたよ・・・ガラガラガラっと」


花子「今度は何かしら・・・『う、ま、い、ぼ、う』」


太郎「・・・見事に食べ物当たったな」


花子「ね?言ったでしょ。結局私たちはこれをやり続けないといけないわけよ」


太郎「にしてもうまい棒って・・・、水分鬼みたいに吸われるじゃねぇか・・・」


花子「今から飲み物を当てたらいいだけのことよ。次お願いね」


太郎「はいよ。まぁそんなうまい話があってたまるかよ、っと」


花子「なになに・・・・・・・・・」


太郎「ん、どうした?暗い顔して」


花子「・・・飲み物、当たった」


太郎「おお!マジか!?すげぇじゃねぇか!!」


花子「・・・でも」


太郎「でも、なんだよ?」


花子「・・・これ、読んで」


太郎「ん?ああ・・・なになに・・・『ど、く、た、あ、ぺっ、ぱ、あ』?」


花子「・・・・・・」


太郎「へぇ、ドクターペッパーって飲み物なんだ。・・・んでなんでこの世の終わりみたいな顔してんだよ」


花子「飲んでみたら分かるわ」


太郎「お、おぉ・・・んじゃ、いただきます」ゴクゴク


花子「うわぁ・・・」


太郎「・・・ナニコノアジ?」


花子「やっぱそうなるよね・・・」


太郎「まぁなんというか、飲めるだけマシ・・・かな」


花子「他に何かあるかもしれないし・・・やる?」


太郎「あぁ・・・。よい、しょっと」


花子「えーっと、『は、ず、れ、た、ら、い』・・・ってまたぁ!?」


太郎「いってーーー!!」

 

 


――――――――――――

――――――

―――

 

 


太郎「ゴクゴク・・・・・・」


花子「ゴクゴク・・・・・・」


太郎「ぷはぁ・・・あのあと十回連続回してみたけど」


花子「ぷはぁ・・・うまい棒二回、ドクターペッパー三回、タライ五回って・・・」


太郎「他に何もないのかよ!?っていうかタライ多いだろ!!」


花子「まぁハズレだからね・・・」


太郎「はぁ・・・それにしても」


花子「?」


太郎「コレ(←ドクターペッパー)、美味しく感じてきたんだが」


花子「あぁ、そういえば最初は吐きそうで仕方なかったけど、いつの間にか全部空けちゃったね・・・」


太郎「ここから出たら、ドクターペッパー買い占めるか」


花子「そうね・・・」


太郎「あ、話戻すけど、さっきガラガラ回してて気づいたんだが」


花子「どうしたの?」


太郎「もうすぐ玉が無くなりそう」


花子「そろそろ出口とか書いてて欲しいんだけどな・・・」


太郎「ははは、言ってそれが出たら誰も苦労しないっての、っと」


花子「今の語感が悪いわね」


太郎「はは、言ってて思った。んで、なに書いてた?」


花子「ははは、『出口』だってさ」


太郎「うわぁ、展開的にありきたりでつまんねぇ」


花子「あ、たろうはここにのこるのね。わたしざんねんだわー」(棒読み)


太郎「気持ちが一ミクロンもこもってねぇ・・・」


花子「あー、これでやっと家に帰れるわー」


太郎「そういや俺たち寝てる最中だったな・・・」


花子「もうドクターペッパーのせいで目が覚めたわよ・・・。とりあえず扉開けるわよ」


太郎「あぁ。・・・そういえばこの扉どこにつながって―――」


花子「え!?」


太郎「どうした!?」


花子「・・・・・・また、部屋」


太郎「ええーーーーーーー!?」

 

−Fin−



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